最判平成7年12月15日外国人指紋押捺拒否事件
外国人指紋押捺拒否事件は、アメリカ合衆国国籍を持つ被告人が日本の外国人登録法に基づき指紋押捺を拒否したことにより起訴された事件です。この裁判では、外国人登録法に基づく指紋押捺制度の憲法適合性が主要な判示事項であり、最高裁は制度が憲法第13条(個人の尊厳と幸福追求権)、第14条(法の下の平等)、第19条(思想・良心の自由)に違反しないと判断しました。指紋押捺は公共の福祉のために必要かつ相当な制限であり、外国人にも適用されると結論づけました。
この事件では、アメリカ国籍の被告人が日本に住んでいた際、外国人登録法に基づく指紋押捺を拒否し、起訴されました。被告人は、この指紋押捺義務が個人の尊厳やプライバシーを侵害し、憲法に違反すると主張しました。しかし、最高裁判所は、指紋押捺制度は公共の福祉のために必要であり、憲法に違反しないと判断しました。この裁判は、外国人の指紋押捺義務の合憲性を問うものでした。
事件の背景
この事件の背景は、外国人登録法に基づく指紋押捺義務に対する拒否から始まります。日本では、外国人登録法が外国人に対して指紋を押捺することを義務付けていました。この法律は、外国人の身元を確認し、国内の治安維持を目的としていましたが、個人の尊厳やプライバシーへの侵害、差別的扱いとの批判がありました。本件の被告人は、この義務に従わなかったために訴えられ、その合憲性が争点となりました。
主張
被告人の主張は、外国人登録法における指紋押捺義務が憲法に違反するというものでした。具体的には、個人の尊厳やプライバシー権を侵害し、外国人に対して不当な差別を行っていると主張していました。一方、国は、外国人登録法の指紋押捺義務は、在留外国人の正確な人物特定を目的としており、公共の福祉のために必要な制限であると反論しました。
引用・参考元:https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=50119